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技能実習制度の課題とは?問題の背景と具体的な解決策



こんにちは!外国人雇用アドバイザーの八神です。


最近、「技能実習生」をめぐるトラブルをニュースでよくみかけます。

  • 技能実習生のよくあるトラブルって?

  • 「トラブル対策」って何をどうやったらいいの?

このような疑問をお持ちの方も多いと思います。


そこで今回は、技能実習生の受け入れに関する禁止事項、制度の課題、そして具体的な解決策について解説します。



目次


1.技能実習生受け入れに関する禁止事項

  • 1.1 技能実習の強制禁止(技能実習法第46条)

  • 1.2 違約金や損害賠償の禁止(技能実習法第47条1項)

  • 1.3 強制貯蓄の禁止(技能実習法第47条2項)

  • 1.4 在留カードの保管禁止(技能実習法第48条1項)

  • 1.5 私生活の制限禁止(技能実習法第48条2項)


2.技能実習生の労働環境でよく起こる問題

  • 2.1 低賃金と未払い賃金

  • 2.2 長時間労働と労働災害

  • 2.3 ハラスメントの問題

  • 2.4 失踪問題


3.具体的な解決策

  • 3.1 労働環境の改善

  • 3.2 技能実習生の権利保護

  • 3.3 監督・指導の強化

  • 3.4 技能実習生の社会統合


4.まとめ




1.技能実習生受け入れに関する禁止事項

以下の行為は法律で禁止されており、違反した場合、罰則が科される可能性があります。

適切な技能実習の運営を行うために、受け入れ企業は法令を遵守し、実習生が安心して学べる環境を整えることが求められます。


1.1  技能実習の強制禁止(技能実習法第46条)

技能実習生の意思に反して技能実習を強制することは禁止されています。実習生が自らの意思で技能を学ぶ環境を整えることが求められます。


1.2  違約金や損害賠償の禁止(技能実習法第47条1項)

技能実習生やその家族に対し、違約金や損害賠償を請求する契約を結ぶことは禁止されています。


1.3  強制貯蓄の禁止(技能実習法第47条2項)

実習生に貯蓄を強要したり、管理したりすることは禁止されており、自由な金銭管理が認められなければなりません。


1.4  在留カードの保管禁止(技能実習法第48条1項)

受け入れ機関が技能実習生の在留カードやパスポートを預かることは禁止されています。


1.5  私生活の制限禁止(技能実習法第48条2項)

技能実習生の外出を不当に制限するなど、私生活を縛る行為は禁止されています。



2.技能実習生の労働環境でよく起こる問題

技能実習制度は低賃金や劣悪な労働環境など、さまざまな問題が指摘されています。今回は、主な問題5つを見ていきましょう。


2.1  低賃金と未払い賃金

技能実習生の賃金が最低賃金を下回るケースがあり、適切な賃金の支払いが必要です。


2.2  長時間労働と労働災害

過度な労働時間や、安全管理の不足による労働災害が問題となっています。適切な労働時間管理と安全教育の徹底が不可欠です。


2.3  ハラスメントの問題

職場でのパワハラ・セクハラ・モラハラが発生しやすく、企業は予防策を講じる必要があります。


2.4  失踪問題

劣悪な労働環境や低賃金が原因で、技能実習生が失踪するケースが増えています。




3.具体的な解決策

技能実習制度にはさまざまな課題がありますが、事前に対策を講じることで、企業と実習生双方にとって良い環境を整えられます。以下、主な対策を4つ紹介します。


3.1  相談体制の整備

実習生が安心して働けるよう、定期的な相談の場を設けましょう。監理団体や自治体の相談窓口を活用し、母国語での相談環境も確保すると効果的です。


3.2   企業内での理解促進

多様な人財が共に良い環境下で働くためにも、技能実習の目的や法令を日本人の従業員に周知し、異文化理解を深める機会を設けましょう。外国人と一緒に働くことをすぐに受け入れ、理解しようとする従業員ばかりではありません。

相互に理解が十分でないと暴言や暴力などの人権侵害行為につながりやすくなります。ハラスメント防止のためにもルール徹底が重要です。


3.3  不正行為の防止

賃金未払い、人権侵害、虚偽報告などの不正行為は法的責任を問われる可能性があります。受け入れ企業として適正な運用を心がけ、禁止事項などについては事前に把握し、誤った対応を防ぐための知識を持ちましょう。


3.4  労働環境の改善

長時間労働や安全基準の未遵守を防ぎ、すべての従業員が働きやすい環境を整えましょう。技能実習生と日本人労働者の待遇は対等でなければなりません。技能実習生を「安価な労働力」と捉えず、適切な労働条件を提供する意識が必要です。




4.まとめ

技能実習制度は、適切に運用されれば外国人財にとっても受け入れ企業にとっても有益な制度となり得ます。

しかし、現状では多くの問題が存在し、適切に機能していないケースも少なくありません。

低賃金や長時間労働、不適切な管理体制などが問題となり、技能実習生が厳しい環境に置かれることもあります。

こうした課題を解決するためには、企業の法令遵守はもちろん、実習生が安心して働ける環境づくりが不可欠です。

具体的には、適正な労働条件の確保、定期的な相談体制の整備、社内での理解促進などが求められます。

技能実習制度の課題を解決するには、企業だけでなく、監理団体や行政も積極的に関与し、適正な運用を徹底する必要があります。

私たちも受け入れ団体として、実習生が安心して働ける環境づくりに積極的に取り組み、適正な運用を支援していきます。









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