育成就労制度とは?技能実習制度との違いを徹底解説!
- 悠貴衣 澤本
- 2月8日
- 読了時間: 4分

こんにちは!外国人雇用アドバイザーの八神です。
最近、「育成就労制度」「技能実習生」といったキーワードをよく耳にしませんか?
「育成就労制度って何?」
「技能実習制度と何が違うの?」
このような疑問をお持ちの方も多いと思います。
そこで、改正される「育成就労制度」と現行の「技能実習制度」の違いについて分かりやすく解説します。
目次
制度の目的の違い
在留期間の違い
受け入れ時の条件の違い
受け入れ後の移行条件の違い
転職・職場変更の可否
受け入れを支援する団体の違い
受け入れ可能な職種の違い
まとめと課題
1. 制度の目的の違い
▶ 技能実習制度
開発途上国への技能移転が目的。
日本で技術を習得し、母国の発展に貢献。
▶育成就労制度
特定技能1号レベルの技能を持つ人材を育成する。
日本国内の人材確保が主目的。
2. 在留期間の違い
▶技能実習制度(最長5年)
技能実習1号(1年)→技能実習2号(2年)→技能実習3号(2年)
2号から3号への移行時に一時帰国が必要。
▶育成就労制度(原則3年)
3年間の育成就労を経て、特定技能1号へ移行。
在留期間の仕組みがシンプルで、移行がスムーズ。
3. 受け入れ時の条件の違い
▶ 技能実習制度
入国後に講習を受ける必要あり
母国で関連職種の経験または学習履歴が求められる(前職要件あり)
日本語要件は原則なし(ただし介護分野はN4レベルが必要)
▶ 育成就労制度
前職要件なし(未経験者でも受け入れ可能)
日本語能力試験N5レベル(簡単なひらがな・カタカナの読み書きができる程度)が必要
4. 受け入れ後の移行条件の違い
▶ 技能実習制度
1号→2号への移行時に技能検定基礎級の合格が必要
3号への移行時には技能検定3級の合格が必要
▶ 育成就労制度
1年以内に技能検定基礎級に合格
3年間の育成就労終了後、特定技能1号へ移行するためには、技能検定3級 or 特定技能1号評価試験に合格、日本語能力N4レベルの取得が必要
5. 転職・職場変更の可否
▶ 技能実習制度
企業ごとの技能習得が前提のため転職不可。
技能実習生の失踪は年間5,000人以上発生。背景には労働環境の問題が指摘されている。
▶ 育成就労制度
条件を満たせば転籍可能。
1年以上の勤務経験。
N5以上の日本語能力 + 技能検定基礎級の合格。
適切な転籍先であること。
6. 受け入れを支援する団体の違い
▶ 技能実習制度
「監理団体(組合など)」が実習生と企業の間に入り、手続きや監督を担当。
▶ 育成就労制度
「登録支援機関」がサポートを実施。
外部監査人の設置が義務付けられ、公正な運営が求められる。
7. 受け入れ可能な職種の違い
▶ 技能実習制度
88職種161作業が対象
特定技能へスムーズに移行できない職種も多かった
▶ 育成就労制度
特定技能1号の職種に準ずる職種が対象
技能実習制度の課題を改善し、特定技能への移行がしやすくなる
8. まとめと課題
転職が可能になったことによる影響
育成就労制度の大きな特徴は、転職が可能になった点です。これにより、労働者は劣悪な環境を避けることができる一方で、雇用主側にとっては「いつ辞められるか分からない」という不安が生じます。
これまでの技能実習制度では、転職ができない代わりに雇用を一定期間確保できるメリットがありました。しかし、今後は雇用主側も「選ばれる職場環境」を整える必要があります。
日本語能力の要件について
育成就労制度では、入国前に「N5レベル」の日本語力を求めています。しかし、N5レベルでは現場でのコミュニケーションには不十分です。
企業と外国人労働者の間で発生するトラブルの多くは、日本語の壁による誤解が原因。最低でもN4レベル(簡単な会話が可能なレベル)を必須とするべきです。
結論:育成就労制度はより実用的な制度だが、雇用環境の整備が重要!
育成就労制度は、技能実習制度の問題点を解決し、特定技能への移行をスムーズにする仕組みになっています。
しかし、日本語教育の課題に加え、雇用主側も「外国人労働者に選ばれる職場環境」を作ることが重要になってきます。単なる人材確保の手段ではなく、長く働いてもらえる環境を整えることが、今後の成功の鍵となるでしょう。
今後の運用に注目しましょう!
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