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香川県:外国人の防災力アップへ—防災教室と国際交流の取り組み




《概要》


香川県内では、外国人居住者が2023年末時点で1万7,000人を超え、

10年前の約2倍に増加しています。


この増加に伴い、防災の課題が浮き彫りになっています。


外国人の中には、母国で災害を経験しておらず、防災訓練等の教育を受けたことがない人も多く、

防災意識が十分でない場合があります。


東日本大震災では、「高台」などの避難に関する言葉が理解できず適切な避難行動が取れなかったり、避難所でのルールを知らずトラブルが発生することがあったそうです。


こうした教訓を踏まえ、地域住民と外国人が共に防災力を高める取り組みが進められています。


◉取り組み1:フットサル大会✖️防災教室

地域ではフットサル大会と防災教室を組み合わせたイベントを開催しています。


フットサル大会には地域に住む日本人と海外からの留学生や実習生、合わせて100人以上が参加。

高松市の団体が、国際交流を目的に毎年開いていて、今回で32回目だそうです。


11年前からは防災教室も同時に開催し、日本人と外国人が共に災害時に必要な知識やスキルを学ぶ場を提供しています。


災害から身を守る方法をあまり学んでこなかった外国人に、日本では災害が多いことを「知ってもらう」ということを目的としており、南海トラフ巨大地震が高い確率で起こることを伝えました。


心肺蘇生法やチームでの搬送についても体験する機会を設け、知識だけではなく

実際に災害が起こった場合に行動に移せるスキルを育める内容となっていました。


◉取り組み2:災害時の食の課題

宗教的な理由で通常の非常食を食べられない人々のために、

ハラル認証の食材を使ったインドネシア料理の調理体験が行われました。


この活動は避難所生活における課題解決の一環であり、

「みんなで同じものを食べる」という共生の意識を持ってほしいという思いから実施されたそうです。



<参考>

“共生”で外国人の防災力アップへ(NHK かがわWEB特集、2024年12月13日)



◉まとめ

この取り組みは、防災教育の実践だけでなく、日本人と外国人が共に生活する未来を見据えた

とても意義深い活動だと感じます。


特に、防災教室では知識の共有だけでなく、助け合う心や「共生」を育む点が印象的でした。


災害時に重要となる「共助」の精神は、災害時にいきなりできるものではありませんよね。


国籍や文化の壁を越えて日頃から築く努力が大切だなと改めて感じました!


また、ハラル認証食材を使ったインドネシア料理の調理体験を通じて、

避難所での「食の課題」にも取り組んでいるところが実践的で見習うべき点だと思いました。


災害があった際は「逃げて終わり」ではなく、避難所での生活も視野に入れていかなければいけないと改めて感じました。


このような取り組みが全国に広がり、地域全体の防災力が向上するとともに、

多文化共生社会の基盤をさらに強化していきたいですね!


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